当事者の私が、
このアプリを作った想い
言葉が詰まるしんどさに、そっと寄り添う。吃音を抱えながら、のびのびと自分らしく生きるための心の居場所を目指して。
01.吃音と共に生きた、葛藤の日々
私は吃音の当事者です。幼少期の頃から、言葉が思い通りに出てこない、喉がつかえるような吃音の感覚にずっと苦しんできました。
「また詰まるかもしれない」という予期不安から逃れるために、言いやすい別の言葉へと言い換えたり、話すこと自体を諦めてしまったり。吃音の影響によって、知らず知らずのうちに自分の本心とは異なる「好ましくない選択(行動)」を積み重ねてしまい、人生に多大な影響を受けてきたと感じています。「私の吃音は、こころが弱いから起こる問題なのだろうか」と、長い間ずっと自分を責めていました。
02.「治らない」と「治したい」のあいだで
その後、吃音のセルフヘルプグループ(言友会)に参加する機会に恵まれました。同じように悩む仲間と出会い、気持ちを分かち合うことで、心が少し軽くなったのは事実です。
しかし、そのグループの「吃音は根本的には治らないものとして受け入れよう」という思想に触れるたび、私の心の中には別の葛藤が生まれました。「それでもやっぱり、少しでも話しやすくなりたい。自分らしいコミュニケーションを諦めたくない、治したい」という想いが消えなかったのです。
03.心理学との出会い、そしてサポートの限界
吃音へのアプローチをあきらめきれなかった私は、心理学を通信制の大学・大学院で本格的に学ぶ決意をしました。そこで最初に出会ったのが「認知行動療法」でした。これによってある程度は生きやすくなったものの、吃音が再発するたびに落ち込むことは依然としてありました。
大きな転機となったのは、広島で開催された吃音世界大会でした。そこでACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の存在を知り、そこから深く勉強して実践するようになりました。ACTに出会ったときの衝撃は、今でも忘れません。そのベースにある「関係フレーム理論(RFT)」を知ったとき、「人間のほとんどの悩みは、これで説明できる」と直感したのです。
日々の生活の中でACTを実践していくうちに、見る見るうちに良い変化が現れました。そして、かつてあれほど自分を縛り付けていた吃音が、いつの間にか私の中で「小さな問題」になっていきました。
この心理学の知見で救われた私は、今度は他の吃音に悩む人たちの支えになりたいと考え、個人でメールサポートや勉強会を立ち上げました。しかし、個人としての時間やリソースには限界があり、一度に直接サポートできる人の数にはどうしても限りがありました。
04.AIとの出会いと「だつきつだ」の誕生
そんな葛藤を抱えていた中で、AI技術が急速な進歩を遂げました。
AIであれば、時間や場所の制限なく、いつでも、誰にでも、24時間優しく寄り添うセルフケアが提供できる。「これなら、かつて私が求めていた『いつでも頼れる心のよりどころ』が実現できるのではないか」と確信し、開発したのがこの「だつきつだ」です。
この「だつきつだ」という名前には、「脱・吃音だ」という意味が込められています。はじめから読んでも、終わりから読んでも同じ回文になるように、最後に「だ」を付けました。吃音という殻から抜け出し、それに囚われることなく、のびのびと生き生きとした人生を送ってほしいという強い願いを込めて名付けたものです。
当事者としての泥臭い経験、長年探求してきた心理学の科学的知見、そして技術の力。この3つを融合させることで、吃音のしんどさに囚われすぎず、のびのびと生きるためのスキルを身につけられるアプリが完成しました。
完璧に話そうとしなくていい。
まずは、一緒にここから心をほぐしてみませんか。